「子どもはやがて大人になる ~発達障害のこと」こと

当たり前のことですが、

人はみんなそれぞれ違います。


「こういうとこあるよね」というのは特性で、

その強い弱いやバランスも人によって違います。

この特性が「とても強い」と

簡単には分かり合えない部分があるので、

「なんかちょっと・・・(アノヒトヘン…ワタシトハアワナイ…) 」

となることがありますね。


とても強い特性を持った子どもは(もちろん大人も)、

周りの理解や細かな工夫・助けを必要とするので、

それをわかりやすい「個性」として説明しようとしたのが、

「発達障害」という名称だと考えてもいいかもしれません。


ですので、

発達障害は特別なものでなく、

特性のひとつひとつは私たちも持ち合わせているものです。

ただ、その度合いがとても強かったり、

いくつも集まったり、

ほかとのバランスが偏っていたりするので、

その子が、不安なく明るい気持ちで毎日を過ごすために、

周りの理解や工夫が必要なのですね。


子どもは成長して、大人になります。

できるだけ小さいうちに周りの大人が特性を見つけ、理解し、

具体的な手立てを取ってあげたいものです。

そして、

子ども本人も大きくなっていくずつ、

自分の特性を知って受け入れていくことが大切だと思うのです。


幼い頃に、自分の特性をからかわれたり、否定された経験をすると、

「自分はダメなんだ」と思い込むようになったり、

大人になってからもマイナスの影響を持ち続けがちです。

「自分にはこういうところがある」

「こうやって対応すればいい」

ということを自分で知っていれば、

強みにすることもできるし、前に進んでいけますね。


人より突出してるってことをプラスにいかせば、

突出している分だけ、

とてつもなく素晴らしいことにつながる可能性が高まります。

強烈な個性や才能を発揮して、

道を拓いたり大業を成した著名な方はたくさんいます。


自閉スペクトラム症の

「スペクトラム」は、「連続体」という意味で、

同じ自閉症の特性を持つ子どもでも、

特性のあらわれ方には差があり、

それぞれ違って見えるけれど

基本的なところでは連続しているという考え方だそうです。


現在はこの考え方がさらに広がり、

ADHD・LDなどの発達障害を区別するのでなく、

連続していると考える「発達障害スペクトラム」という考え方へと

発展しているのだそうです。


保育園でも、

「発達障害」という言葉を知ってから、

目の前のお子さんを理解する幅がとても広がりました。

ただ言葉の響きから、

抵抗を感じる部分も(特に保護者は)あったかもしれません。

スペクトラムという考え方は、

そこから私たちを解放してくれました。

発達障害が何か特別に違っているわけではなく、

私たちみんな延長線上にいるのですから。

お子さんを(大人も)ありのまま見て、特性を見つけ、

本人が困ったり生きづらさを感じるようなことがあれば、

どういう工夫が必要かを

本人も周りも理解していけばいいのですよね 。

enfanceアンファンス◆北城優子

内面の育ちを大切にした発達支援と保育者をサポート